不動産売却における契約不適合責任とは?

2021年06月01日

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不動産売却における契約不適合責任とは?売主側の注意点も紹介

 

民法改正により、瑕疵担保責任に代わって契約不適合責任と呼ばれる制度が創設されました。
契約書の記載方法によっては、売主が不利になりやすい制度のため、売却を検討している方は新制度について把握し、対策を施すことが求められます。
今回は契約不適合責任について、買主側に認められている権利と、売主側の注意点を紹介します。

 

不動産売却における契約不適合責任とは?売主側の注意点も紹介

契約不適合責任とは、購入した不動産の数量や品質が契約内容と適合しない、または債務不履行の状態と判断される場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
買主には以下の5つの権利があります。

●追完請求
●代金減額請求
●催告解除
●無催告解除
●損害賠償


追完請求とは、品質や契約内容が異なる場合に、修繕や代替品の提供により契約の履行を求める権利のことです。
追完請求しても売主が対応しない際には、請求代金の減額を請求できます。
もしくは期間を設けて履行を催促し、期間内に実行されないときには、契約を解除できる催告解除も可能です。
契約の目的が達成されないときに限り、債務履行の催告なしで契約を解除できる無催告解除も認められています。
契約不適合による何かしらの損害が発生した際には、売主に損害賠償も請求できます。
なお、契約不適合責任は任意の規定としており、双方が合意すれば免除する特約を設けることも可能です。

 

契約不適合責任における不動産を売却する際の売主側の注意点

不動産を売却するときの注意点は、以下の3つです。

●新制度に詳しい不動産会社を選ぶ
●通知の期間を決める
●設備は対象外とする


新制度の知識に精通していない不動産会社に依頼すると、契約書の記載内容に不備が起こりやすく、売主が不利になるリスクがあります。
不動産会社を選定するときは、新制度に詳しいかどうかで判断することをおすすめします。
また、契約不適合責任が適用となる期間を、契約書に明記しておくことも大事です。
瑕疵担保責任で主流だった期間と同じく、3か月間で設定するといいでしょう。
中古物件は設備に何かしらの不具合が起こることが多いため、買主の合意を得た上で、設備についてはすべて免責にしておくと安心です。
どの部分を免責とするのか、お互いの認識を統一しておくことがポイントです。
双方が納得した上で明確にしておくと円滑に話し合いが進み、のちに起こりうるトラブルを防げるでしょう。

 

まとめ

契約不適合責任は、買主側に有利となる権利が多く認められた一方で、売主側には注意すべき点が増えたため、契約書の内容に細心の注意を払う必要があります。
必要に応じて、買主の了承を得ながら免責事項を設けるようにしましょう。
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